入院前日。赤ちゃんに私の好きな景色を見せた日【2026年8月16日】

お盆休み最後の日。

昨日、愛猫と一緒に実家へ帰ってきた。

私は明日、会社へ出社することはできない…、と思う。

おそらく入院するからだ。

羊水検査の結果を、明日17日に聞きに行く。

結果は、まだ出ていない。

それでも私は、

明日から入院するんだろうと思っていた。

今日は、お腹の赤ちゃんと一緒に外へ出る最後の日になるかもしれない。

目次

私の好きな景色

暑すぎない日だった。

雲が多かった。

朝は少しゆっくり起きた。

母は仕事でもういない。

実家に連れて帰ってきているにゃんこも、新しい環境で少し遠慮気味。

つわりは相変わらず続いている。

気持ち悪さを抱えながら、ぼーっとしていた。

午前中に何をしていたのか、あまり覚えていない。

ただ、

お腹を撫でながら過ごしていた。

午後になって、外へ出た。

今日は、

赤ちゃんに私の好きなものを見せたかった。

小さいころから食べてきたケーキ

地元のケーキ屋さんへ行った。

私は小さいころから、このお店のケーキを食べてきた。

少し早いけれど、

もうすぐ生まれてくる赤ちゃんのお誕生日ケーキのつもりでケーキを二つ買った。

「お母さんが小さいころから食べてたケーキなんだよ」

お腹に話しかけた。

一緒に食べようね。

そう話しかけた。

地元の神様に会いに行く

少ししてから、また出かけた。

神社へお参りに行った。

地元の神様のところへ。

神社の近くには川が流れていて、土手がある。

私は、そこを散歩するのが昔から好きだった。

小さいころから、

何かあると土手を歩いた。

自転車でも走り抜けた。

ずっと好きだった場所。

「お母さんが大好きな景色なんだ」

「見える?」

「一緒に見てくれてる?」

「この景色が大好きなの」

「覚えていてくれると嬉しいな」

お腹を撫でながら、話しかけた。

私が生きてきた思い出を、あなたに

自分が生きてきた思い出を、赤ちゃんと共有したかった。

ただの私のエゴなのかもしれない。

それでも、

一緒に好きな景色を見る。

一緒にケーキを食べる。

お腹に話しかける。

そんな小さなことが、

赤ちゃんとの思い出になっていくようで嬉しかった。

明日から何が始まるのか、

私はもう分かっているような気がしていた。

だから今日は、

この子と一緒にいられる時間を大切にしたかった。

涙はずっと流れていた。

神社でお参りしているときも。

土手を歩いているときも。

赤ちゃんに話しかけているときも。

顔はぐちゃぐちゃだった。

体から水分がなくなってしまうんじゃないかと思うくらい泣いた。

それでも歩いた。

赤ちゃんに、自分の好きな場所を見せながら。

明日、結果を聞く

羊水検査の結果は、まだ聞いていない。

怖いけれど、明日、結果を聞く。

でも私は、結果がもう分かっているような気がしていた。

明日から入院する。

そして、

お腹の中で赤ちゃんと一緒に過ごせる時間は終わっていく。

そう思うと、何をしていても愛しかった。

私の赤ちゃん。

お腹を撫でる。

話しかける。

一緒に歩く。

一緒に景色を見る。

一緒にケーキを食べる。

それだけで幸せだった。

一緒にいられて嬉しかったよ。

幸せだった。

ちゃんと産んであげられなくて、ごめんね。

こんな私のところに来てくれてありがとう。

本当にありがとう。

選んでくれて、ありがとう。

この記事を書いた人

不妊治療、妊娠と喪失、子どもを迎えるための準備、仕事、資格、旅。
選んで、つくって、生きていく途中の記録を、YACONOMAに残しています。

※このブログでは、当時のメモや写真を見返しながら、過去の出来事も時系列に沿って記録しています。
記事の公開日と、書いている出来事の日付が異なる場合があります。

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