NIPTで21トリソミー陽性。結果を聞いた日【2026年7月28日】

妊娠14週1日。

病院からは「診療時間内に来てくれればいい」と言われていたので、午後半休を取って、NIPTの結果を聞きに行った。

私ひとり。

彼は来ない。

来てくれないだろうと思っていたので、最初からひとりで行くつもりでいた。

それでも、病院へ向かうのが怖かった。

目次

仏壇にすがる

いったん家に帰って、車に乗り換えた。

病院へ行く前に、実家へ寄った。

仏壇にお線香をあげようと思った。

縋りたかったんだと思う。

神様でも、仏様でも。

なんでもいいから、今の私を救ってほしかった。

仏壇にお線香をあげて、手を合わせた。

都合のいいことをしている自分が、少し情けなかった。

心の中では、

きっと何かある。

そんな予感がしていた。

それなのに最後の最後になって、奇跡を願っている。

自己満足でしかない。

そう思った。

でも、手を合わせずにはいられなかった。

病院へ向かう。最後の奇跡を信じてしまう

実家を出て、病院へ向かった。

夕方に差しかかっていて、院内は少し暗くなっていた。

これから自分が何を言われるのか。

考えないようにしても、考えてしまう。

その中に、ときどきポジティブな自分が割り込んでくる。

「何も問題なかったです!」

そう言われる妄想。

でも、すぐに自分で打ち消す。

夢を見るな。

期待するな。

それでもまた、

もしかしたら。

ほんの少しだけ。

奇跡を信じてしまう。

そして、また自分でぶち壊す。

受付をして、名前を呼ばれるのを待った。

「ひとり?」

診察番号を呼ばれて、部屋に入った。

椅子が二つ並んでいた。

一つは私。

もう一つは、彼の椅子だったのかもしれない。

「ひとり?」

先生に聞かれた。

「ひとりです」

先生も看護師さんも、彼が一緒に来ると思っていたようで、何度か確認された。

申し訳ないような気持ちになった。

きっと、

私ひとりでは抱えきれないと思ったのかもしれない。

でも私は、ひとりだった。

「21トリソミー陽性」

先生から、NIPTの結果が書かれた資料を見せてもらった。

赤い文字。

21トリソミー陽性。

18トリソミー陰性。

13トリソミー陰性。

陽性。

その文字を見た瞬間、呼吸が早くなった。

自分の呼吸の音が聞こえる。

「ダウン症」

目頭が熱くなって、涙があふれた。

覚悟していた。

ずっと怖がっていた。

陽性だった場合にどうするのかも、考えていた。

それでも、

このときの耳が遠くなるような感覚は、今でも忘れられない。

先生が何か話していた。

私は、うまく呼吸ができないまま答えた。

声が出しにくくて、言葉が詰まった。

「なんらかの異常や……陽性が出たら……諦めよ……と……きめ……て……います……」

泣きながら、その言葉を絞り出したことは覚えている。

陽性だと知った直後に、お腹の赤ちゃんを見る

そのまま、お腹のエコーを確認することになった。

頭の中には、

21トリソミー陽性。

その言葉がずっとあった。

先生は赤ちゃんを見ながら説明してくれた。

「14週、週数通りの成長だね」

「浮腫みも普通」

「鼻の骨も見える」

「心臓もほかの器官も問題ないよ」

「手も見えるね。これが足」

「頭の大きさも問題ない」

私はエコーを見ていた。

心がえぐられるようだった。

赤ちゃんは育っていた。

エコーの画像を見ながら、

彼に似ているなと思った。

鼻の形が綺麗だった。

骨格にも彼を感じた。

性別は、まだ分からなかった。

でも、

私と彼の赤ちゃんなんだと思った。

あんなにつらいつわりと一緒に育ててきた。

生まれたあとの生活も、何度も想像していた。

それなのに。

私は、この子を諦めることを考えている。

もう人間じゃなくなってしまったような気持ちになった。

命を奪う決断をしようとしている自分。

簡単に出した答えではなかった。

何度も考えた。

それでも、このときの私は、

そうするしかないと思っていた。

羊水検査を受けることになった

NIPTの結果だけで、すべてが確定したわけではなかった。

次に、羊水検査を受けることになった。

日程は8月7日。

まだ結果を確かめなければならない。

あと10日。

この状態のまま過ごさなければならない。

それが、とても長く感じた。

「私のあかちゃんなのに」

お会計を待っている間も、涙が止まらなかった。

妊婦さんがたくさん出入りする場所で、すすり泣く自分を止めたかった。

でも、止められなかった。

車に乗った。

帰る道中。

声を出して泣いた。

「私のあかちゃん!!!!わたしのあかちゃんなのに!!」

「なんで、なんで、なんで、なんで!!!!」

「もっと年齢が若かったら!」

「問題のない卵子を作ってあげられたら!!!」

「何をすればよかったの!!?」

「どうしたらよかったの!!?」

「胚盤胞は5AAだったのに!!」

「グレードだけじゃ染色体異常は分からないのは知ってるけど!!!」

「私のあかちゃんなのに!!!!」

ぐちゃぐちゃに泣いた。

ぐちゃぐちゃになった。

わたしはもう、ぐちゃぐちゃだった。

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この記事を書いた人

不妊治療、妊娠と喪失、子どもを迎えるための準備、仕事、資格、旅。
選んで、つくって、生きていく途中の記録を、YACO LAB.に残しています。

※このブログでは、当時のメモや写真を見返しながら、過去の出来事も時系列に沿って記録しています。
記事の公開日と、書いている出来事の日付が異なる場合があります。

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